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2023.07.26

2022年度情報工学部教育業績賞受賞者報告会を開催しました(7/19)

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受賞者: 情報工学部 情報通信工学科 藤崎 清孝 教授
タイトル:電磁波の存在を感じてもらうためのこれまでの取り組みについて
日時:2023年7月19日(水)学部教授会後
場所:E棟2F会議室3(およびオンライン)
参加者:28名(教員23名、職員5名)*オンライン参加含む
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【概要】
2022年度教育業績賞受賞者報告会として情報通信工学科の藤崎教授の報告会が行われました。藤崎教授は2016年4月に本学に着任してから情報通信工学科のカリキュラムにおいて必須となる1年次と2年次の実験科目を担当し、学生の専門知識や専門スキルの向上に貢献してきました。また、「無線従事者」の長期型養成課程の科目である「アンテナエ学」と「電磁波伝搬」の講義を担当し、情報通信工学科の「第一級陸上特殊無線技士」、「第二級海上特殊無線技士」、「第三級海上特殊無線技士」に加え、「第一級陸上無線技術士」の資格取得者増に貢献してきました。大学院を修了した学生が宇宙技術開発株式会社などに就職しており、卒業後に就職に関する講演を依頼できる卒業生が存在し、学生の学習意欲や大学院への進学を意識させることができていることから、情報工学部教育業績賞を受賞されました。
報告会では、電磁波の存在を感じてもらうためのこれまでの取り組みについて発表されました。
初めに、山澤教務部長から、本日の趣旨とタイトルが紹介されました。

情報通信工学科 藤崎教授

報告会では、藤崎教授から、電磁波工学に従事し衛星通信に関する研究やRFIDの活用に関する研究、ランダム媒質中の電磁波伝搬理論について研究していることが説明され、本学に着任してからは、計測・回路実験、情報工学基礎実験、電磁波伝搬やアンテナ工学などの無線通信に関する科目を担当していることが紹介されました。また、これまでに、衛星通信やRFIDに関する研究を企業や大学図書館等と連携して取り組んできたことが述べられました。
授業では、数式による電磁現象をファラデーの電磁誘導の法則やアンペールの法則で説明を行ったり、電磁波の性質を図で示したりしているが、数学的な表現から電磁波の存在を学生自身の中でイメージしてもらうのは難しいと感じていること、まずは実際に電磁波の存在を感じてもらえるような機会を提供することで電磁波に興味を持ってもらおうと考えていること、将来的には無線に関する技術者を目指してほしいという想いがあることが述べられました。
このために、オープンキャンパスや出前講義、学生実験や卒業研究等で電磁波を感じてもらうためにおこなっている取り組みが紹介されました。
 


 

オープンキャンパスでは、身の回りの物を使って衛星放送波を受信する実験を行い、パラボラアンテナと形状が似ている中華鍋や金ザルでも衛星放送を受信できることを体験してもらっていることが報告されました。
また卒研では、RFIDという非接触のIDシステムを使って、情報伝送を行う仕組みを学び、タグを自作して交信性能を確認したり、そのシステムによる無線電力伝送を体験したりすることで、無線通信の仕組みを体験させていることが紹介されました。
更に学生実験では、デジタル無線通信に加え、LEDと受光素子を使ったアナログ無線通信を体験させることで、無線通信の仕組みを学生に理解させる取り組みを行っていることが紹介されました。

 

質疑応答では、オープンキャンパスでの高校生の反応はどうなのかとの質問があり、藤崎教授から衛星放送の受信実験では、中華鍋や金ザルを使って実際に受信できることや人体等が受信性能に与える影響を実際に体験することで無線通信に興味を持ってくれている生徒もいたとの回答がありました。
また、取組の有効性を評価するデータに関して、学生の反応はどんな感じなのかとの質問があり、藤崎教授から、基礎実験の授業アンケートの回答では難しいという回答が多いこと、実験では、回路の構築に加え、ハードウェアを制御するためのソフトウェアの作成も必要なために壁が高く、そこをどう理解させていくかが今後の課題であるとの回答がありました。
最後に山澤教務部長から、藤崎教授と参加された教職員への謝辞が述べられ、閉会となりました。
以上

 
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