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2021.09.10

第21回FD Café「ICTを活用した授業実践事例~ブレンデッド型授業の試み~」を開催しました (8/27)

2021年度前期においては、対面授業を原則として授業を開始したものの、昨年度に引き続き、新型コロナウィルス感染症の影響から、一部を遠隔授業に切り替える必要も生じました。そのような中、昨年度の経験を活かし、対面授業形式の中に様々なICT活用の工夫を取り入れ、授業効率化や学生の理解度向上に努力されておられる先生方が多くいらっしゃいます。
今回のFD Caféでは、それらの授業実践事例を共有し、さらなる授業改善による学生の授業理解度向上と、教員負担軽減のヒントを得ることを目的に第21回FD Caféが対面とオンライン形式で開催され、学長をはじめ、教員31名と職員18名の計49名が参加する中、3名の教員による事例紹介と参加者による意見交換が行われました。
開会にあたり、下村学長(FD推進機構長)より、本日のFD Cafeを通してブレンデッド型授業の実践事例を共有して頂き、学生の授業理解度向上と教員負担軽減のヒントを得るために意見交換を行いたいとの挨拶がありました。
続いて、3名の教員の授業実践事例紹介が行われ、質疑応答や課題の共有、Tipsの共有が行われました。テーマ、発表者、質疑応答・意見交換内容は以下のとおりです。

①「ゼミ授業におけるSlack, Formsの活用」:木下 健 准教授(社会環境学科)

SlackやFormsを活用したゼミ運営(2年生前期から開講)について紹介がありました。ゼミでは研究内容についてデータ収集・分析を行いながら2万字の卒業論文の執筆を目標にしている点が示され、授業構成として最初に授業動画(20分~30分)またはZoomを使った説明を行い、次に課題への取組(30分)、最後に個別に回答を確認、解説を行うという進め方が報告されました。授業の中で統計ソフトJMPの活用や学生とのコミュニケーションツールとしてSlackやFormsを活用している点が報告され、SlackやFormsを利用するメリットとして、学生が主体的に課題に取り組んでいることや学生間でのファイルの交換やコミュニケーションが取りやすいことが挙げられ、不十分な点としてやる気のない学生に対して、対応が難しい点が挙げられました。
また、SlackやFormsを授業で活用して気づいたこととして、学生同士のコミュニケーションを確保するためには課題をグループで検討させる必要があること、今後は対面授業にICTツールを活用することを模索していく必要性があることが報告されました。

②「まじめで地味なオンデマンド型講義の実施事例」:江頭 竜 教授(知能機械工学科)

昨年度実施されたオンデマンド型授業(流体力学Ⅱ:3年前期必修)について紹介がありました。動画作成をする際に心がけたこととして、必要最小限の労力で最大限の効果を得ること、最低1時間以上の動画を作成すること、学生の集中力を維持するために動画の中でなるべく沈黙の時間を作らないこと、唐突に話を始めず話の流れを大事にすること(前回何を勉強したのか、今日は何を勉強するのか、なぜ今それを学ぶのか)が挙げられました。授業の構成はまず、前回までの講義内容の解説、宿題の解答・解説、講義、講義内容のまとめ、宿題という流れで構成し、授業アンケートの学生コメントから「オンラインでも理解しやすい授業方式、内容であったと思います」、「毎週の課題により理解が深まった」との回答があり、試行錯誤しながら取り組んだ中で学生が理解していることが確認できたと報告されました。
また、オンデマンド型授業を実施して気づいたこととして、作成した動画を活用できるように作成すること、学生が質問をしたりコメントしたりする機会を与える方策を検討する必要があること、今後の授業は対面の良さとオンデマンドの良さの両方を活かせた方が良いと思うとの報告がありました。

③「教えすぎない授業が学力を伸ばす?!- デジタルコンテンツによる事前学習・ペーパー演習ALと課題 -」:利光 和彦 教授(情報システム工学科)

デジタル資料とアナログ資料を活用したハイブリッド授業(機械システム論:3年次選択科目)について紹介がありました。本学ALの取組と共に学生が自ら学ぶことで教育効果を上げることを念頭に授業を構成したことが紹介されました。具体的には、15回授業の中で認知⼼理学の観点からの効果的教育法として間隔練習を取り入れ、重要な内容は繰り返し学習することで理解を深めるように設計し、各授業では事前課題(アナログ資料およびデジタル資料)を課し、講義(20分)、課題の相互採点(学生同士で採点)(10分)、課題の解説、演習(60分)で構成し、演習ではCSが授業課題についてのフィードバックを実施していることが説明されました。学生は全員PCを持参して授業に参加し、学生同士で演習プリントを相談しながら考え、先生は机間巡回を行い学生のつまずきや理解度を確認する点が紹介されました。授業を実施する上で気を付けていることとして、学びの場を作ること、学⽣の様⼦を良く観察し、対応することが挙げられました。また、授業中に緊張と弛緩の時間を設け、「15分で説明するので集中してください」など説明時間を明⽰して声かけするなどの工夫が紹介されました。
以上の授業実践事例紹介を受け、倪教務部長より、貴重な知見を共有して頂いた3名の発表者に謝辞が述べられ、参加者全員での意見交換が行われました。意見交換では、今日のテーマでもあるブレンデッド型授業について、コロナ禍で進んだオンライン教材の活用について具体的なイメージの共有が行われ、各先生方から以下のコメントがありました。
  • 対面で授業を行っていても、いつ感染拡大が進むか分からない状況なので、いつでもオンデマンド型で授業ができるようにmyFIT上に準備をし、オンラインで事前課題を課すというハイブリッド型授業が良いのではないか。学生のコメントから、デジタル教材の良い点は繰り返し視聴ができ復習ができることだとの声もあった。
  • オンラインで宿題のチェックを行うと効率的という点は参考になった。回答解説を動画で実施するなども効率的に授業ができる。また、授業内容のトピックスごとに動画を作っておけば、学生はわからないところだけ確認することができる。
  • オンラインの活用としては、事前課題を動画でアップすれば、何度も確認できる。対面を基本としながらも補強の資料、課題の予習復習にデジタルツールとして活用できる。
  • ブレンデッドとは何かと考えると、授業時間だけではなくその前後も含めて考えなければいけない。学生の反応を見ながら90分授業を行い、宿題も採点もmyFITで課すと効率的。いろいろな使い方ができるのでノウハウを身に付け、学生が自ら学習するように促してはどうか。
  • オンラインか対面かという授業の形式ではなく、学生が学ぶことに我々がどう向き合うかが重要。
  • 学生の主体性をどう引き出すか、学生の興味、積極性を引き出す取組みがあれば教えてほしい。
さらに、倪教授から、今回紹介頂いた取組に対する効果の評価、ツールを活用する際心がけたことがあったら教えてほしいと質問があり、それについて、以下の回答がありました。
  • 以前と比べて学生が自分で学習する姿勢が出てきたように感じる。学生とデジタルとの親和性、敷居の低さが影響しているのではないか。
  • 対面を大切にしつつ、デジタルコンテンツを活用した方がよい。教材を作成するまでは大変だが一度作れば適宜修正して使えるので効率的。
  • オンデマンド型だと学生の反応が見えない、オンラインでもリアルタイムでできればと思うがどうやっていいかわからない。
  • SlackやFormsを活用すると学生の復習時間が増えたように感じた。さらに学生との距離が縮まるといったメリットもある。一方で理解度が二極化しており、オンラインコンテンツの操作方法がわからなかったり、動画を見ても理解できなかったりする学生が一部いる。
最後に、倪教授から、「オンラインの活用という視点では、授業の種類によってデジタルコンテンツがもたらす効果が異なってくるのではないか。今回のCaféでの気づきとして、授業の説明にはシラバスだけではなく、1回の講義全体の流れを示すことや間隔練習で何度も練習をさせ、難易度を上げていくといったヒントが得られた。今日の発表では『学生が自ら学ぶ』というキーワードが何度も出てきている。学習者本位の学びを実践していくためには本学としてどこからスタートするか、学生が積極的に勉強するために、まずは学生が知識を身に付け学ぶことの楽しさを感じ、さらに学び続けていくように取り組んでいきたい。」との感想が述べられ、予定時間いっぱいでの閉会となりました。
※当日の動画はFIT Replay(学内専用)をご覧ください。
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