NEWS新着情報

トピックス

2022.09.30

第26回FD Café「よりよい学びについて話をしよう!」を開催しました (9/20)

9月20日(火)「よりよい学びについて話をしよう!」をテーマに、第26回FD Caféを本部棟3F FITLinkにて開催いたしました。
今回のFD Caféは、授業の実施者である教員と受講者である学生が本学における「よりよい学び」に関して理解を深め、今後の本学における学習者本位の教育の推進、全学的な授業改善につなげることを目的に開催し、学生13名、教員15名と職員7名の計35名が参加しました。FIT-joinによる学生アンケートの発表、江口教授(FDer)のファシリテーションによるグループワークが行われ、「よりよい学び」について教職学でディスカッションが行われました。
 
開会にあたり、下村学長から本日は本学での学びを学生がどのように捉えているのか、学生と教員が考える課題は何か、などについて、参加者間でのグループワークを通じてともに議論を深めて頂きたいと思いますとのご挨拶がありました。
続いて、FIT-joinの坂本康汰さん(知能機械工学科3年)と有冨功大さん(知能機械工学科2年)から、FIT-joinが前期に実施した学生アンケートの報告を行いました。
この学生アンケートは学生が授業や大学生活に対して抱いている不安や改善してほしい点について調査を行い、結果を分析し、教員との意見交換の場で授業改善に向けた提案をすることを目的としています。今回は本学でのよりよい学びにつなげるために、日々の授業や学習環境、キャンパス内での交流を中心に学生意見を聴取し、その結果からよりよい学びに向けた提案が行われました。
アンケート実施期間は7/19~8/8で回答促進としてmyFITでのメール内容に工夫をしたり、授業後に呼びかけを行ったりして、533件の回答が得られたことが報告されました。アンケート結果から、学生がよりよい学びができるためには、授業、交流、環境の3つがポイントであり、この3点について以下の提案がありました。①授業については、科目間の連携、成績評価基準の統一化、テストのフィードバック、②交流については、他クラス、他学科、他学部との交流、学生と教員の距離を縮めること、グループワークの実施、③環境については、各ツールのアップデート、時間割の見直し、学内施設の改善が挙げられました。
  •  

  •  

まず、授業においては、学生にとって「よい学び」と感じるのはどのような授業ですか?との質問に対して55%が「学んだことが日常生活や他の授業と結びついた授業」との回答があり、その「よい学び」のために必要なこととして、「学問への興味、自分自身のやる気・意欲向上、モチベーション維持」(34%)、「友人や先輩との交流、教員とのコミュニケーション」(25%)が挙げられ、学んだことが日常生活や他の授業結びつくことで、学生は学問への興味、モチベーションアップにつながることが報告されました。
また、成績評価に関して、公共交通機関の影響で遅刻した際の対応や同じ科目でのテストの難易度(持ち込み有無を含む)について、どのように成績評価がなされているかを知りたいと考えている学生が多いことなどが挙げられ、成績評価に関する取扱いを統一することが提案されました。さらに、学んだことの中で何ができて何ができなかったのかを把握するために、シラバスの評価項目ごとの点数結果がほしいとの意見もありました。また「成長を感じた」と思える授業はどのような授業ですか?という質問に対しては、「毎回の演習問題で点数が取れている授業」、「予習、復習、課題をしっかり行っている授業」などが挙げられ、ここから「インプットしたことをアウトプットする機会がある授業」が成長を感じられると報告がありました。

交流に関しては、現在の大学生活は充実していますか?との質問に84%の学生が充実していると回答しており、その理由として「学びたい内容が学習できる」(40%)、「教育・研究施設が充実している」(37%)が挙げられました。一方で、充実していないと回答した16%の学生の理由として、キャンパス内での交流の機会が少ない(44%)が挙げられ、開催してほしい講演会やイベントはありますか?という質問では、「他学部他学科他クラスとの交流会」などの回答があり、クラスを超えた交流を求めている学生が多いことが伺えました。教員との交流に関しては、学習面や生活面で相談する機会はありますか?という質問に対して、33%の学生があると回答し、その交流のタイミングとして授業の前後に講義室で相談することが多いことや年次が上がるにつれて交流の機会が多くなっているとの回答がありました。このことから、授業の前後に講義室で話せる機会や1年生の時から先生と話せる機会を設けること、授業においても他学部他学科と交流できるような科目の設置が提案されました。
 
学習環境については、各種ツールの機能に関するアップデート、時間割の見直し、施設の改善が挙げられ、必要な情報や就職関連講座がオンラインで視聴できる仕組みや、一時的に荷物を保管できるようなロッカーの設置の要望がありました。また、時間割に関しては10分の休憩時間で教室移動が大変なケースがあるので考慮頂きたいと提案がありました。
続いて、江口教授をファシリテーターとして、学生の発表内容を元に「よりよい学び」につなげるために何ができるかについて教職学のグループでディスカッションを行いました。
ワークの後、5グループの各リーダーがディスカッションの内容を発表しました。ディスカッションで挙がった内容として、「学んだことのどこができてどこができなかったのかを知るためにテスト結果を回答用紙ごと返却してほしい」、「幅広く知識を身に付け、学内の交流を深めるために他の分野の人とのつながりができる分野横断的な科目の設置があったらいいのではないか」、「学生同士の学びを深める学術サークルを立ち上げて、単位に関わらず勉強会を開催してはどうか」、「科目間連携については先輩が後輩にオリエンテーションなどで科目間のつながりを伝える場を設けてはどうか」、「教員と学生の交流の場をつくる工夫として、教員は質問しやすい時間をつくることや学生は学習支援センターを活用したりしてはどうか」などが報告されました。
  •  

  •  

 
グループでの発表を受けて、江口教授から、教育改善は教職員だけが考えるものではなく、学びを志す者が自由に議論に参加する場であり、学生の権利でもあります。大学は開かれた場であるべきで、ここでの議論はこの場にとどまらず全学に波及してほしいとのコメントがありました。
最後に、倪教務部長(全学教育開発WG長)から、FIT-joinの学生アンケートは的確な分析が行われており、グループワークでは有益な意見交換が行われ、今後に向けて参考になる結果が得られたことに学生や教職員、ファシリテーターに謝辞が述べられました。また、学生の報告の中で成績に不満を感じている学生が一定数いること、それについて学生が何もしなかった(できなかった)とのことには驚き、教員としても改善する仕組みを検討していきたいと述べられました。また一方で、学生の学びに関して教員はもちろん学生をサポートしていくが、学生が授業を理解していく(単位を取得する)のは自身との戦いでもあり、自分のために学んでいるということを意識して頑張ってほしいとコメントがありました。
 
実施後のアンケートでは、学生からは、「双方の立場の意見が混ざっていい話し合いとなりました。」、「普段関わりのない他学科の先生と関わることができて新たな考えを取り入れることができました。」との回答や、教員からは、「学生からの意見で、すぐにできること(例えば、成績開示について周知するなど)はした方がいいと思われた。現在の学生のSNSツールがインスタグラムというのも面白かった。」、「我々教員にとって大変有意義な情報を集めることができました。アンケートとグループディスカッションで得られた意見や方法などを今後の授業に活用し、すこしずつ学生の悩みを解消していければ良いと思います。」との回答がありました。
※当日の動画はStream(学内専用)こちらをご覧ください。
前のページに戻る