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2018.08.08

平成29年度教育業績賞受賞者報告会を開催しました(7/26)

受賞者:情報工学部 システムマネジメント学科 傅 靖 助教
公開講義(科目名):「オペレーションズ・リサーチⅡ」
日 時:2018年7月26日(木)1時限目(9:00~10:30)
場 所:B棟8階 演習室1
参加者:教員6名(情報1名、シスマネ3名、システム1名、社環1名)、職員1名

概要

 

傅 先生
本講義では、経営・生産活動に関わる複雑な問題において、合理的な意思決定を行うためのオペレーションズ・リサーチ(OR)手法を学習します。具体的には、どのようにして現実的な問題を数理計画モデルに表現するかを紹介してから、ORの基本手法である線形計画法(シンプレックス法)を中心に説明します。その後、グループごとにExcelのアドインであるExcel Solverや数式処理システムのMathematicaを用いて演習プロジェクトを完成させていきます。DPの「E:種々の科学技術、情報及び知識を活用して社会の要求を解決するためのデザイン能力」と特に強く関与しており、数理計画問題を定式化、そして代表的な解法を用いて経営・生産に関わる諸問題を分析及び解決する能力を身につけることをこの科目の目標としています。

 

演習プロジェクト発表の様子
公開講義当日は、10グループおよび1つの個人グループが演習プロジェクトの発表を行いました。各グループのテーマは「役割振り分け問題」、「研究室配属問題」、「ドリンクの棚の陳列問題」、「学祭屋台の生産計画問題」、「適正アルバイト問題」、「整形手術の組み合わせ計画問題」、「小学校教職員の給料最小化問題」、「テーマパークでのアトラクションの組み合わせ計画問題」、「車購入の組合せ計画問題」、「お菓子のナップザック問題」、「災害時支援物資の輸送計画問題」など様々で、各グループが選定したOR問題の内容および関連データの説明、問題の定式化、Excel SolverやMathematicaでの解法、結果、結論及び考察、参考文献、グループメンバーの役割等について発表がありました。たとえば、「テーマパークでのアトラクションの組み合わせ」をOR問題として選定したグループは、「多くのアトラクションに乗りたい」を目的とし、「アトラクションは全部で15種類、アトラクションごとの待ち時間と満足度、制約時間は7時間」という条件のもと、Excel SolverやMathematicaでの計算と結果の考察等を行い、ORが日常の中でも活用できるものであることや、Excel SolverとMathematicaという複数のアプリケーションを使うことで結果の正確性が増すこと、条件(アトラクションの料金や移動時間等)を増やすことでより詳細な結果を得られる可能性など、まとめと考察が行われました。
 
Excel Solverによる解の導出方法の説明
各グループの発表後に傅先生による質疑が行われ、課題設定の背景や条件の根拠、パラメーターの設定方法等について確認が行われました。また、発表内容について、1グループが発表を終える度に受講生による5段階の相互評価が、アプリケーションソフト「Socrative」のクリッカー機能等を利用して実施され、授業の最後に集計結果から評価の高かったグループ名が発表されました。またグループ単位で他のグループメンバーに対する審査員となって相互評価も実施され、受講生同士による複線での評価方法が取り入れられていました。
 
参観の様子
授業終了後には、参加者3名と傅先生とで意見交換会が行われました。この中で、グループ発表の方法について、本講義のような受講者90名規模でグループ発表を実施する場合の課題や改善策、受講者のグループ分けの方法、使用する教科書やソフトの種類やレベル、クラス・サポーター学生の有効性について意見交換が行われた他、カリキュラムという全体的な視点から、他の専門科目との連携や数学科目の必修化などについても議論が広がり、今回の公開授業をきっかけとして、学科を超えた共通の課題や今後の取組みについて意見交換や情報共有を行う貴重な場となりました。
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