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2021.03.18

第20回FD Café「ICTを活用した授業実践事例~遠隔授業実施を振り返って~」を開催しました (3/9)

2020年度は、新型コロナ感染症対策のため、多くの科目で遠隔授業の実施を余儀なくされ、その結果、ICTを活用した多くの授業実践事例が新たに開発されました。オンデマンド型授業の実施により、動画の繰り返し視聴で理解が深まったという学生の声が確認されており、今後も授業資料や予復習資料として、蓄積された動画コンテンツの活用が期待されます。一方で、オンライン形式での双方向性確保については、有効な方策について、科目の性質に応じて試行錯誤がなされています。そこで、3月9日(火)、今年度の遠隔授業実施の成果と課題に触れながら、課題を解決するための効果的なTipsを共有することを目的に第20回FD Caféがオンライン形式で開催され、学長をはじめ、9学科と教養力育成センターから教員34名と職員17名の計51名が参加する中、5名の教員による事例紹介と意見交換が行われました。
はじめに、藤岡寛之教務部長(教育技術開発WG長)より開会挨拶があり、本年度はコロナ禍において遠隔授業でスタートせざるを得ないという状況の中、授業を無事終えることができたことについて謝辞が述べられた後、遠隔授業での双方向性確保などの課題に触れ、国内の大学でコロナ禍での教育の様々な振り返りが行われている他、グローバルな視点で見るとポストコロナの教育展開を見据えた議論が予想以上に加速していることの紹介があり、本学もICTを活用した目まぐるしい技術革新の中で常に知識をアップデートできるようなオンライン教育を展開するポテンシャルを持っており、学部学科を超えたネットワークを形成して知見を共有することで、九州から日本一への教育拠点へ成長していけると考えており、本研修会を本学としてより一段上の教育を展開していくためのヒントを共有する場としたいとのお話がありました。

続いて、5名の教員の授業実践事例紹介が行われ、質疑応答や課題の共有、Tipsの共有が行われました。テーマ、発表者、主な項目(【】で記載)、質疑応答・意見交換内容は以下のとおりです。

①「オンライン試験と試験監督の実施例」:田村瞳助教(電子情報工学科)

【試験問題の準備・解答⽅法、試験に当たっての注意事項の連絡、試験実施と試験監督、採点、採点結果の通知について】
事例紹介では、myFITやMS Teams、MS Forms、Moodleを利用したオンライン試験の準備から実施、採点までの一連の流れについて説明があり、この中で、問題準備・採点におけるMoodleとPDFのメリット・デメリットや、MS Teamsを利用した試験監督方法(学生はスマートフォン、PCといった2つのデバイスを使って受験し、受験中はスマホでMS Teams会議に接続して解答入力するPC画面と入力する手元をカメラで撮影、監督者がこの画像を監視)について紹介や、30名以上の受講者に対応する監督方法など今後の課題について説明がありました。発表に続いて、藤岡教務部長より、学生がアップロードする解答をPDFファイルとしてタブレット上で採点をすることで、採点の作業負担が軽減されるといったTipsの共有あった他、紹介のあった方法では防ぐことが難しい不正行為への対応についての質疑応答や、受講者数が多い場合に全員カメラをオンにすると通信速度が遅くなることなどについて意見交換が行われました。

②「板書形式によるオンデマンド型遠隔授業」:野瀬敏洋助教(電子情報工学科)

【板書形式による授業、授業形式の⽐較、板書についての学⽣のコメント、課題の形式、FIT-AIMによる授業振り返り、成績の⽐較、合格率の⽐較、まとめと考察】
事例紹介では、対面授業で行っていた板書形式の授業と学生が同じように受講できるようにと実施された遠隔授業(オンデマンド型)についての説明があり、この中で、遠隔授業では成績評価方法にFIT-AIMの授業振り返りへの入力を加点(入力内容の優劣は問わない)したこと、課題はPDFで配布し、学生は解答を書き込んだものを写真(jpg形式)でmyFITへ提出、採点では写真送りで次々と切り替えて解答を表示できるので作業負担が軽減されたこと等について説明がありました。また、成績の比較では、期末テストは例年より平均成績が下がったものの、課題やFIT-AIM、再試験などその他を含めた総合成績はあまり下がっておらず、合格率は昨年度比で5科目中1科目が同率(100%)、2科目が上昇(+1.8%、+12.9%)、2科目が下降(-3.7%、-4.7%)したとの報告がありました。最後に考察として、遠隔授業で実施した場合でも、教員の指示通りに受講した学生は対面授業と同じように受講ができたと考えられること、再試験のための勉強の際に授業動画が役に立った可能性があるとのお話がありました。発表に続いて、FIT-AIMへの入力に関し、言語化することで理解できていない箇所に気付く効果が期待できることについて意見交換が行われた他、授業のオンデマンド配信のためのカメラワーク自動編集アプリについてTipsの共有がありました。

③「Teamsによるグループワークの実践事例」:中野美香准教授(社会環境学科/教養力育成センター)

【経緯と目的、実践事例、Tips、学生の声、まとめと今後の展望】
事例紹介では、MS Teamsで昨年12月に機能追加されたブレイクアウトルームを利用したグループワークの実践事例について、教員側の事前準備(チーム作成、学生への事前指示、授業資料公開、会議リンク公開等)から当日の授業実施、授業後の振り返り課題と教員からのフィードバックまでの一連の流れについて説明がありました。この中で、学生にMS Teams最新版アプリのインストールの指示をしておくことがトラブル防止に重要であること、前日までの授業資料で授業実施の意義や目的、方法や注意点について詳細に説明しておくことが学生の不安解消につながること、ワーク中は各ルームを見回り、随時チャットで質問を受け付け、全体には一斉メッセージで連絡すること、グループ割当設定後の遅刻学生対応の手間を省くため、グループワーク開始は授業開始15分経過後とすること、トラブルに備えプランA~Cまで想定すること、クラス・サポーターを導入しグループワーク活性化をはかったこと等について説明がありました。また、MS Teamsによるグループワークを取り入れた授業は授業アンケートの平均評価ポイントが昨年度より高く、これは教員の言語化量が増えたことや個人と集団による学びが区別され意義が高まったこと、コミュニケーションそのものの貴重性が高まったことによるものと考えられるとの説明があり、MS Teamsによるグループワークは思った以上に利点が多くあることがわかり、今後も学生の声を取り入れながらより良い講義方法を模索していきたいとのお話がありました。発表に続いて、遠隔授業では教員の言語化量が増えることについて意見交換があった他、ブレイクアウトルームや類似の機能を使わなかった場合に学生の成績はどうなっていたと考えられるか、学生のラーニングコミュニティを作ったか否かが成績にどう影響すると考えられるかについて質問があり、中野准教授より、ラーニングコミュニティは学びのセーフティネットになり得ると考えられ、上位層の2割程度の学生の成績はコミュニティの有無で変化はないかもしれないが、残りの6割程度の学生にとっては上位層の学生から刺激を受けることでモチベーションの維持に効果があり、結果としてよい成績につながるように考えられ、また残り2割の学生はコミュニティがあってもうまく入れない、個別対応が必要な学生と考えられるとの回答がありました。

④「オンデマンド型講義の実施事例」:杉田薫教授(情報通信工学科)

【第1回ガイダンスでの学生状況確認、講義動画作成以外の作業、動画作成と公開方法、講義資料、動画未視聴学生の確認、myFITテスト機能での小テスト実施、中間アンケートとフィードバック、授業アンケートの実施、授業Q&A、掲示登録】
事例紹介では、遠隔授業(オンデマンド型)実施における具体的な作業内容や教員負担ついてお話があり、この中で、講義動画の作成以外の作業として動画チェックと動画修正、授業資料(講義動画のURLと理解度確認テスト)登録、掲示登録(講義動画等の公開案内)があること、講義日までに講義動画や課題公開の作業を終えるのに多くの時間がかかること、授業内容確認用紙や中間アンケート、独自の講義アンケートや授業Q&Aなどで学生の状況と意見を十分に吸い上げる取組をしたこと、アンケートの学生評価を反映し、音声データを合成音声(前期)から肉声(後期)に変更したこと、動画公開は解像度と安定性を優先したDropbox(前期)から視聴状況の確認を優先したFIT Replay(後期)に変更したこと、講義資料は教科書をスキャンした画像は使用せず全てPowerPointで作り直したこと、昨年度と比較して再履修者数はほぼ同じであったこと等について説明がありました。また、myFITの学生サポート体制改善に向けての提案や本学の授業実施方針を決定・公開するにあたって学生の状況や教員負担を考慮することの重要性についてお話がありました。発表に続いて、動画作成で特に時間がかかったのは何であったかとの質問があり、動画チェックと音声録音に時間がかかったとの回答があった他、学生からの質問の受付方法について、MS Teamsのチャット機能が新しいスタイルとして取り込まれている状況であることや双方向性確保という視点での意見交換が行われた。

⑤「コロナ禍における電気主任技術者資格取得へ向けた取り組み」:田島大輔准教授(電気工学科/FD推進機構教育技術開発WG)

【電気主任技術者とは、試験の概要、試験の合格率、本学科での電験取得支援の取り組み、電験電力でのオンライン講義、FIT-AIMでの取組姿勢と講義理解、web模擬試験、web模擬試験、本学科の全科目合格者数/科目合格者数、まとめ、他】
事例紹介では、コロナ禍における学生の資格取得支援を目的とした電気工学科の取組について説明があり、この中で、遠隔授業はライブ型で、対面授業とほぼ同様の流れで実施をし、出席確認(個人より返事)→テキスト説明(MS TeamsのファイルにPDFファイルをアップロード)→重要事項説明(小型ホワイトボード使用)→演習問題(その場で解答、制限時間1問4分)→質問受付(最後の10分間)の構成で行ったこと、講義終了後にはFIT-AIMで学生の理解度チェックやコメントに対するフィードバックを行ったとの説明がありました。またMS Formsを利用して模擬試験を3回実施した他、本番へ向けて学生へ応援メールを送信するなどのサポートを行った結果、本年度の電気工学科の第3種合格者は5名となり、5年連続の最多人数を達成したこと等の説明があり、コロナ禍における様々な事態に対応し、資格取得を目指す学生の支援を継続したいとのお話がありました。
以上の授業実践事例紹介を受け、最後に藤岡寛之教務部長より、貴重な知見を共有して頂いた5名の発表者に謝辞が述べられました。また、情報基盤センターから、MS Teams会議での出席者リストのダウンロード方法、出席者の画面表示(「ギャラリー」、「ラージギャラリー」、「集合モード」)の切替方法、ブレイクアウトルームの作成方法についてTipsの共有が行われ、閉会となりました。(別途、最新情報に更新されたMS Teamsに関する操作説明書が情報基盤センターより配布予定。)

本研修会には9学科と教養力育成センターより教員の参加があり、冒頭の藤岡寛之教務部長の挨拶にありましたとおり、本学としてより一段上の教育を展開し、九州から日本一への教育拠点へと成長していけるヒントを共有する場となりました。

※当日の動画および配布資料はFIT Replay(学内専用)をご覧ください。
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