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2022.06.24

2021年度情報工学部教育業績賞受賞者報告会(公開講義)を開催しました(6/10)

受賞者: 情報工学部 情報システム工学科 木室 義彦 教授
公開講義:2年必修科目 論理回路(第9回)演習:組合せ回路
日時:6月10日(金)3時限目 
場所:B31
参加者:19名 教員14名(うち動画視聴11名)、職員3名、受講生107名、TA2名

概要

2021年度教育業績賞報告会として情報システム工学科の木室教授の公開講義が行われました。公開された科目「論理回路」は、2年次必修科目であり、デジタル回路やコンピュータアーキテクチャ(計算機)の基礎をなす科目です。論理代数の理論を理解し、計算機の構成要素である組み合わせ回路や順序回路設計ができることを目的とし、回路シミュレータやロジックボードによる実習により、知識の確認を行います。ゲートレベルでプロセッサを設計できるようになることを目標としています。
また、公開講義実施後に参加者からメールで感想と質問を受け、木室教授から質問への回答を頂く形式としました。
 
初めに、山口学科長から、木室教授は長年にわたりロボット制御関係の教育に尽力されていること、子供たちに向けたプログラミング教育でロボット教材を開発されていること、昨年度の情報処理学会情報教育シンポジウムで最優秀論文賞を受賞されていることから教育業績賞を受賞されたことが案内されました。
講義では、先ず、木室教授が採点した前回のレポート課題が返却され、講義の前半20分で課題の回答および特に難しい部分について解説が行われました。回答の際には先生が書画カメラに課題を写し、指した問題の答え合わせを学生が順番にマイクを持って回答する形をとっており、受講生の理解度を確認しながら授業が進められました。
 
 
次に、本日の講義内容「組み合わせ回路」の演習に入り、7セグメントと呼ばれる8の字配列のLEDがどのように点灯するか実際にロジックボードを使って操作を行いました。学生は2~3人ペアで先生の指示の下、2進数を入力し、予定通りLEDが点灯する様子を確認した後、真理値表の作成とカルノー図による論理圧縮を行い、回路作成を進めました。授業の後半30分で、学生ごとに異なるように割り当てられた課題が出され、受講生はクラスメイトと話し合いながら問題を解き、先生とTAが巡回しながら回答状況を確認し、受講生の理解促進をサポートしていました。終始、木室教授が丁寧な説明を行い、受講生がどこまで理解しているかを確認しながら授業が進められていました。
 
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授業後に寄せられた参加者の感想および質疑応答は以下の通りです。

感想および参考になった点

  • 教員の説明と同時に学生にプリントに書かせて作業させる点、マイクを回して学生に答えさせる点、TAが質問対応やアドバイスなどで補助する点など、受講学生はアクティブに授業に参加できているところが良かったです。
  • 手書きのプリントでの演習やロジックボードの演習を通して、学生の皆さんの理解が進んでいる様子が伺えてとても参考になりました。
  • 配布資料、教材、書画カメラをバランス良く使われていて、教育効果の高い授業デザインにしていることが印象的でした。

質疑応答

Q.この授業スタイルにたどり着くまでに、この科目の担当開始から何年くらいかかりましたか?また、どのような試行錯誤がありましたか?参考に聞かせてください。

A.電子工作が未経験という学生がほとんどだったことから、最初にウェブブラウザのアプレットによるシミュレーションを導入し、サイドモニタによる講義スタイルに。その後、3年目にロジックボードを十台程度購入し演習、アンケート調査等により有用だと判断されたことから台数を揃えてもらいました。
課題レポートの授業前日〆切は、学習相談コーナーとセットで開始し、学生には好評でしたが、〆切直前の夕方2時間に数十名の学生が殺到するようになったので、数年後に学習相談コーナーは中止しました。
FIT Replayによる講義動画の公開は、2016年のFIT Replayシステム導入時に始めましたが、遅刻者、欠席者に対して「ビデオを見て復習して下さい」と対応できるので重宝しています。2020年のコロナ初年度の時は、この動画が再利用でき、ライブ感があってよいとオンライン学生から評価されましたが、手抜きというクレームも出ました。
マイクを回して学生に発言させるのは、眠気防止と緊張感の維持もありますが、間違っても良いので発言することで失敗を気にしないメンタリティになって欲しいのが大きいです。
授業後のミニッツペーパーは、学生の理解度把握と感想・不満収集ですが、授業への自分のモチベーションの維持でもあります。

Q.他の講義も含めて、毎回の講義画面を録画した動画を学生に公開しておられるようですが、どのくらいの学生が視聴しているでしょうか?また、動画の公開に対する学生の皆さんの反応やコメント(以前のアンケート等で)など把握しておられましたら、よろしければご教示ください。

A.公欠などで欠席した学生は見てくれているようです。各回、1、2名くらいでしょうか。今回の第9回講義も欠席した学生が見てくれています。例年、試験直前に見直す学生もいます。授業アンケートでもビデオ公開を評価してくれる学生が毎年数名います。画像解像度が今一と毎回不満も出ますが。担当の知能ロボット工学やデジタル制御はもう少しビデオ視聴する学生が多いです。
※今回の講義動画は、年度末まで FIT Replay(学内限定) で公開されています
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