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2020.03.05

2019年度情報工学部教育業績賞受賞者報告会(最終講義)を開催しました(3/3)

受賞者: 情報工学部 システムマネジメント学科 横田 将生 教授
公開講義:「人工知能と教育研究的課題」
日時:2020年3月3日(火)3時限目(13:00~14:30)
場所:B棟8F 多目的室
参加者:27名(教員15名、職員6名、学外3名、学生3名)

概要

近年、人間はチェスや碁ではもう人工知能 (Artificial Intelligence, 略称, AI) に勝てなくなり、他の分野でもAIが人間を凌駕する技術的特異点(Technological Singularity)が到来するのは時間の問題などと言われています。そして、「AIに人間は仕事を奪われる」や「AIに人間は支配されるようになる」などとAI脅威論を耳にすることが多くなりました。しかしながら、すべての人工物は完全ではありえず、現状のAIに何ができて何ができないのかを見極める必要があり、この最終講義では、横田教授の長年にわたるAIに関する教育および研究の経験から得られた知見をご講義いただきました。
横田 将生 教授
今は「第3次AIブーム」として、機械学習やディープラーニング(以下、DL)をキーに、パターン認識などでの実用化の報告がなされているものの、種々の分野においてAIが自らの知識で問題解決に取り組むには自然言語理解能力が不可欠であり、いくつかの事例をもとに、現時点では人間と同様の概念をもつことは難しく、AIの自発性には限界があると見解が示されました。 例として、顔認証機能において、画像として同一か否かを処理することは可能だが、それを「顔」という概念では理解していないことや、ビッグデータを利用するDLでは確率に基づき答えを導き出しているだけで、AIの伝統的な弱点として、その「意味」までは理解していないとの説明がありました。
最後に研究者と教育者の観点より、AIに関するそれぞれの課題が述べられました。 研究的課題としては、人間の選択的注意機構の実現や言葉が担う意味の獲得方法の開発とし、一言でいえば「人間の心のモデルが必要である」との説明がありました。また、教育的課題として2点示され、1点目のAIの利用に関しては、その能力や限界について常に知識をアップデートしつつ、最終的には人間が決定・活用することを認識すること、2点目はAIの開発について、大量の良質データが必要であることや成否には論理的思考やデータ解析能力などの基本的な能力の育成が不可欠であるとの説明がありました。
引き続き行われた質疑応答では、AIに過度な期待をしている風潮について質問があり、現在の状況は一過性のブームとして認識しているものの、AIをきっかけとして情報工学に興味を持った学生は貴重であり、AIの基礎となる学びを提供することが大学の役割であるとの説明がありました。また、シンギュラリティ(AIが人間を凌駕する技術的特異点)について質問があり、人間がコントロールするAIを作ることが重要であるとの見解が示されました。
質問者からは本題に入る前に、横田教授との懐かしい思い出が語られ、時には会場に大きな笑い声が響くなど、終始、横田教授のお人柄がにじみ出るあたたかい最終講義となりました。
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