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2023.01.19

2022年度情報工学部教育業績賞受賞者報告会(公開講義)を開催しました(1/17)

受賞者:情報工学部 情報システム工学科 森園 哲也 教授
公開講義(科目名):1年必修科目 情報物理実験(二足歩行ロボットテーマ)
日時:1月17日(火)2限目 
場所:情報システム創成実験室(B棟6階)
参加者:24名 教員7名、職員2名、受講生13名、TA2名

概要

2022年度教育業績賞報告会として情報システム工学科の森園教授の公開講義が行われました。公開された科目「情報物理実験(二足歩行ロボットテーマ)」は、1年次必修科目であり、講義で学んだ数学・物理学・プログラミングを活用した体験型の授業を実施し、今後の専門科目の基礎となるだけではなく、実験に必要な計画的実務遂行能力やチームワークを身につけることを目的としています。本年度は,A:物理学シミュレーション、B:物理計測実験、C:マイコンプログラミング、D:ロボット設計、E:プログラミング応用、に関する5テーマの実験を行っており、この5テーマについてそれぞれ3週(6時限)で実験を実施しています。今回はこの中のD:ロボット設計の2週目の授業が公開され、実施後に参加者と意見交換を行いました。

 

初めに、前田情報工学部長から、森園教授は長年にわたり情報システム工学科のロボット制御分野の教育に尽力され、ロボット制御分野のカリキュラムの設計、立ち上げにも多大な貢献をされ、現在も「基礎ロボット工学」、「メカトロアクチュエータ」、「ロボットシュミレーション」、「情報物理実験(二足歩行ロボットテーマ)」などの科目を担当されており、学科のロボット制御分野の教育の中核を担っていることから、2022年度教育業績賞を受賞されたことが案内されました。

 

本実験は、3週のうちの2週目にあたり、1週目で学んだ理論に基づき、2~3人のチームに1台の二足歩行ロボットを配置し、チームで役割分担をし、パソコン上のソフトウェアからロボットに指令を送り、ロボットを歩かせる試みを行いました。
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学生はロボットが予想通り動くことに手ごたえを感じるケースや一方でなかなか思い通りに動かないケースもあり、なぜ動かないのか原因を追究しながら解決策を探っていました。また、授業見学に来ていた教職員から、動かない原因について質問があった際は、学生が考えられる原因とその解決のために取り組んでいる内容を説明しながら修正を行っていました。

 

公開講義実施後に参加者と意見交換を行った内容は以下の通りです。
 

意見交換会

質問:学生が楽しそうに実験している様子が印象的でした。1年生後期の必修科目とのことで、学生にとってもインパクトが残っている授業と思いますが、その後の授業とどうつなげていますか?
回答:カリキュラム上でもつながっていますが、自身の授業の中でも授業で学んだあの時の内容が基礎になっているという形でつながりについて話すことはあります。
質問:チーム分けはどのように行っているのですか?
回答:良く知っている学生同士の方が取組みやすいだろうとのことから自分達で選択させています。場合によってはチームを組ませることもあります。
質問:力学的なセンスは学生によって差があるが、ロボットテーマではどのくらい力学的な事を教えていますか?
回答:この授業では「静歩行」などの基本的な内容を教えています。「動歩行」という方法があることも伝えていますが、興味のある学生には自分で調べるように促しています。
質問:チーム内で役割分担して、いい経験を積んでいると思う。授業での先生やTAの関わり方はどのようにしていますか?
回答:このテーマについて学ぶ期間が3週間なので、1週目は主に説明を行い、2週目からは学生が自分自身で評価軸を設けて、自分達のチームでの目標を設けて達成を目指し、気づきを促すようにしています。最終的に提出させる実験レポートにも自分たちなりの目標を記載して、その結果や目標に対しての考察を記入するように指導しています。そのレポートは作成のポイントや将来的には卒研研究論文にもつながる点を伝えて、一から書かせています。レポートの反省学習の週には、より具体的なレポート作成の指導を行っています。教員からのフィードバックはもちろんですが、学生同士でレポートを交換させ、学生はレビューシートを参考にお互いが書いたレポート内容について確認を行っています。 
森園教授は物理の理論がロボットの動作にどうつながっているのかを学生に実感してほしいとの想いから本教材を取り入れ、ロボットを動かすという楽しさを経験すること、失敗を恐れずに何度でも取り組んでいく姿勢を身に付けることを大切にしているとお話しされました。また、授業中は学生が自ら創意工夫を行い、学ぶ姿勢を大切にするため必要以上に口出しをしないようにしていると述べられました。
 
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