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2023.01.10

2022年度情報工学部教育業績賞受賞者報告会を開催しました(12/21)

受賞者: 情報工学部 情報工学科 山口 裕 助教
タイトル:「目標設定手法OKRの研究室における実践」
日時:2022年12月21日(水)学部教授会後
場所:E棟2F会議室2(オンライン)
参加者:38名(教員31名、職員7名)*オンライン参加含む

概要

2022年度教育業績賞受賞者報告会として情報工学科の山口助教の報告会が行われました。山口助教は、卒業研究の指導にあたって、学生が目標設定を適切にできるように研究活動との親和性を考慮してOKRと呼ばれる目標設定・目標管理手法を2020年より採用し、振り返りの進捗確認を実践されてきました。山口研究室では、現在7名の大学院生が在籍 (2021年入学4名,2022年入学 3名)、順調に内部進学者を確保しております。本報告会では、OKRの概要、導入の目的、研究室での活用方法などについてお話し頂きました。
初めに、前田情報工学部長から、山口助教が卒業研究指導に関するグッドプラクティスを他の教員に先駆けて積極的に公開されたこと、他の多くの教員にも参考になる内容であること、学科における卒業研究のより一層の教育改善のきっかけとなり得る取組であることが高く評価され、2022年度教育業績賞を受賞されたと紹介がありました。

 

報告会では、山口助教から、OKRという目標設定手法を研究室で取り入れたきっかけとOKRの仕組みと特徴、研究室での実践結果という流れで報告がありました。
まず、OKRを取り入れたきっかけとして、自身の経験から所属学部や学科、研究室によって指導スタイルにも特色があることから、福工大の研究室に適した指導のスタイルを模索しようと考える中で、まずは研究そのものの魅力、高度な研究テーマの魅力を学生にアピールすることが大切であると考えたこと、さらにAIに関心がある学生の増加に伴い研究室の人数が増えていく中で大人数にも対応できるようシステムを取り入れようと考えたことが報告されました。

OKRはGoogleが採用したことで有名になった手法で、個人やチームで目標(Objective)を設定し、その目標を達成するための成果指標(Key Results)を考え、3か月ごとに成果指標の達成度を評価し、研究室全員で振り返りを行うシステムです。特徴として、ストレッチ・ゴールという考え方に基づいており、達成不可能ではないが思い切って目標を高く掲げる方がモチベーションを高めるには良いとされており、結果的に100%達成できなくても、元から低い目標を掲げるよりも得られた成果は多くなると考えられていることが説明されました。

山口助教は2020年度より研究室でOKRを導入し、学生の研究の長期目標、短期目標を明確にすることで研究に対する動機づけをおこない、週報を毎週提出することを義務付け学生がお互いに達成度を確認できる形式とし、個人とチームでの目標達成に向けて効果がみられたことが報告されました。定量的側面では大学院進学者数や学会発表件数、受賞回数などの増加も見られ、OKRを取り入れたことで学部生、院生とのコミュニケーションの質が向上したと実感していると報告されました。

 

質疑応答では、学生にOKRを設定させる際に教員が指導に入っていると思うが、先生の負荷はどのくらいですかとの質問があり、山口助教から目標を立てる4月は大変だが、slackを使って情報共有を行い、システマティックに行えるので負荷は感じていないとの回答がありました。

また、研究室に配属時の学業成績と研究の成果について、OKRを取り入れたことで変化があったと感じることはあるかとの質問があり、山口助教からOKRが直接関係しているか不明だが、OKRに取り組まずに学業が停滞する学生はいた、OKRに取り組んで努力で伸びている学生もいるとの回答がありました。

さらに、OKRは3か月のスパンで取り組むようになっているが、院生などで学会や論文に合わせて設定をする例などはあるかとの質問があり、山口助教から今のところ研究室では同じタイミングで実施しており、各自、論文や学会の〆切にあわせて目標を設けて取り組んでいるとの回答がありました。

最後に前田情報工学部長から、山口助教と参加された教職員への謝辞が述べられ、閉会となりました。
以上
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