本学では、「学生授業サポート制度」として、大学院生および学部学生が先輩学生の立場から授業を支援する活動に取り組んでいます。実験・実習科目および演習科目では、大学院生がTA(ティーチング・アシスタント)、学部学生がSA(スチューデント・アシスタント)として、教員とともに受講生への助言を行うなどして教育効果の向上を図っています。また、アクティブ・ラーニングを実施する演習科目および講義科目では、原則として学部学生がCS(クラス・サポーター)として、グループ学習やピア・ラーニングのファシリテート、助言、ICT機器操作の補助などを担い、知識の定着および能動的な学習態度の涵養を図っています。こうした活動は、受講生の学びを支えるだけでなく、TA・SA・CS自身が経験を振り返り、学びや気づきを将来のキャリアや就職活動に生かす機会にもなっています。
学生サポーターの育成にあたっては、求めるスキルを明確にした上で、春季の基礎研修やファシリテーション研修など、体系的な研修を実施しています。9月30日(水)には、R3教室にてTA・SA・CSを対象とした秋季研修を開催し、25名(学部生18名、大学院生7名)が参加しました。
トピックス
2026.10.06
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2026年度学生サポーター秋季研修を実施しました(9/30)
今年度の秋季研修は、①活動を通じて得られた経験や学び、気づきを振り返り、言語化すること、②学生サポーター同士の交流を通じて活動のヒントを得るとともに、不安を解消すること、③活動を通じて身についた力を就職活動や将来に生かすこと、の3点を目的として実施しました。
研修は、土屋麻衣子先生(教養力育成センター教授)と学生スタッフ3名、教育開発推進室職員2名が企画・運営を担当し、教職学協働で実施しました。当日は、ウォーミングアップ、学生サポーター活動における課題の解決策を考えるグループワーク、本学卒業生による講話、講話を踏まえた意見共有と質疑応答、後期の活動目標を設定するワーク、クロージングを行いました。
土屋 麻衣子先生
生スタッフによる企画・運営
はじめに、土屋先生から研修の目的や流れ、学生授業サポート制度が期待する学生サポーターの役割について説明がありました。続くウォーミングアップでは、学生スタッフの進行による「妄想自己紹介」が行われ、参加者は自身のTA・SA・CS経験や趣味に加えて、「タイムスリップするなら過去か未来か」などのテーマについて紹介し合いました。グループのメンバー同士が打ち解けたところで、グループワーク①「活動を振り返り グループで課題を解決しよう」に取り組みました。
ウォーミングアップ
「ベスト妄想」発表
続くグループワークでは、経験者は活動中によかったことや反省点を、未経験者は受講生の立場から学生サポーターへの期待や改善してほしい点を付箋に書き出し、班ごとに課題を一つ選んで解決策を話し合いました。全体共有では、「サポーターに話しかけづらい」という課題に対し、教室の端にとどまらず、笑顔で明るく声をかけて話しかけやすい雰囲気をつくること、「受講生との距離感が難しい」という課題に対し、教えすぎず、公平性を意識して支援することなどが提案されました。また、「ヒントの出し方が分からない」という課題については、受講生がどこまで理解しているかを順に確認し、つまずきの出発点を見つけて一緒に考えることが大切だという意見が共有されました。経験者と未経験者がそれぞれの視点を持ち寄ることで、よりよい授業支援の在り方を具体的に考える機会となりました。
学生スタッフによる進行
グループワーク
続いて、本学工学部電子情報工学科を2021年3月に卒業し、現在は日本アイ・ビー・エム株式会社 IBM Consulting事業部でITスペシャリストとして活躍されている山岸奈央氏による講話「あの頃の経験、全部伏線かも!? 学生サポーター活動で身につけた力と、社会で発揮している力のつながり」が行われました。山岸氏は、在学中にCS活動、学生FD団体「FIT-join」の代表、課題解決型インターンシップに取り組んだ経験を紹介し、そこで培ったコミュニケーション能力、年齢や立場を越えて対話する力、前例のないことに挑戦する姿勢が、現在のプロジェクト運営や新入社員の育成、AIエージェント導入プロジェクトのリードに活かしているとのお話がありました。
また、学生サポーターは答えを教える存在ではなく、「少し先を歩く友人」として相手の隣で一緒に考える存在であること、就職活動では小手先のテクニックよりも、自分の経験を具体的なエピソードとともに自分の言葉で語ることが大切であるとの助言がありました。さらに、手段と目的を取り違えないこと、向上心を持って挑戦すること、自分を他人と比較せず、自分と相手の双方を尊重することなど、学生生活や将来に向けたメッセージが送られました。
山岸 奈央氏
質疑応答
講話後のグループワークでは、参加者が「参考になったこと」「その理由」「今後の行動にどのように生かすか」を個人で整理した後、グループ内で共有し、山岸氏への質問をまとめました。質疑応答では、CSとして受講生と信頼関係を築く方法について質問があり、身近な話題から会話を始め、授業外でも友人のように接することを大切にしていたとの回答がありました。また、教える際に分からないことがあった場合は、「分からないから一緒に調べよう」と伝え、「分からない」で終わらせず、一緒に調べる経験につなげることが大切であるとの助言もありました。さらに、大学での活動を就職活動でどのように言語化したかという質問に対しては、まず結論を述べ、その根拠となる具体的な経験を複数示すとよいとのアドバイスがありました。その他、ワークライフバランスや生成AIの使い分けについても活発に質問が寄せられました。研修後に実施した参加者アンケートでは、山岸氏の講話について、「卒業生の方の貴重な話が自分の成長につながる内容だった」「サポートする学生のためだけでなく、自分の就職活動に生かせるアドバイスが勉強になった」といった感想が寄せられました。さらに、「目的と手段を取り違えないという言葉が印象に残り、何を得るために取り組むのかを明確にして行動したい」と、講話で得た気づきを今後の行動に結びつけようとする声もあり、参加者が自身の経験や将来を捉え直す機会となったことがうかがえました。
続くグループワークでは、これまでのワークや講話を踏まえ、後期の学生サポーター活動と個人の活動について目標を設定し、その実現に向けた行動計画を考えました。参加者は、5W1Hや数値、期間を意識しながら具体的な行動に落とし込み、目標を立てた背景や理由とあわせてグループ内で共有しました。
クロージングでは、土屋先生から、「将来に役立ちそうな経験だけを選ぶのではなく、自分が行った経験を将来に役立てるという視点を持ってほしい」とのお話がありました。また、後期から学生サポーターとして初めて活動する学生に向けて、実際の活動で分からないことや困ることがあれば一人で抱え込まず、教育開発推進室や学生サポーター同士で相談してほしいと呼びかけがありました。
研修の最後には参加者に修了証が授与されました。参加者にとって、活動上の不安や課題を仲間と共有し、先輩の経験から将来へのヒントを得るとともに、自身の経験を言葉にして今後の行動へつなげる機会となりました。
目標シート
修了証