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2026.06.08

第43回FD Café「FIT教育賞受賞者報告会」を開催しました (5/27)

5月27日(水)、第43回FD Café「2024年度FIT教育賞受賞者報告会」をE棟2F会議室にて開催いたしました。
今回のFD Caféは、教職員86名(本学教職員82名、ポスドク1名、福岡未来創造プラットフォーム加盟大学から3名)が参加し、2025年度FIT教育賞受賞者の4名の先生方(情報工学科 石原真紀夫教授、電気工学科 井上昌睦教授、情報工学科 山澤一誠教授、教養力育成センター 土屋麻衣子教授)から授業や取組における工夫や課題について発表頂き、参加した教職員と意見交換を行いました。各取組について以下の通り発表がありました。

【グッドプラクティス部門(個人表彰)】

■学生の主体性を引き出す工夫の実施
情報工学科石原真紀夫教授から、Javaプログラミング科目において学生の主体性を引き出すため、ゲーミフィケーションを活用した教育実践の報告がありました。ゲーミフィケーションは内発的動機付けや能動的学習を高める手法として位置付けられ、達成目標の設定、成長の可視化、ソーシャル要素などを取り入れて設計されています。具体的には、出席課題やチャレンジ課題によるポイント付与、進捗の可視化、質問箱や動画教材など多様な学習支援を講義内外に配置し、継続的な学習を促しており、その結果、課題への取り組み状況や学習意欲の向上が確認されていることが報告されました。一方で、生成AIの普及により理解度の把握が難しくなる課題も挙げられ、今後は「コードを書く力」から「問題解決力」へ評価軸の転換が必要とされていることが述べられました。

情報工学科 石原真紀夫 教授

■社会とのつながりを育む教育活動
電気工学科井上昌睦教授から、「電気エネルギーシステム工学Ⅰ」の授業内容を通じて、社会とのつながりを意識した教育実践が報告されました。授業ではエネルギーの基本概念や一次・二次エネルギーの区分、発電方式(火力・水力・原子力・再生可能エネルギー)を体系的に解説するとともに、日本のエネルギー事情を具体的データで示していることが紹介されました。特に日本はエネルギー自給率が低く、資源の海外依存度が高いこと、さらに中東情勢やロシアのウクライナ侵攻など国際情勢がエネルギー供給に大きな影響を及ぼす点が強調されました。また、エネルギー問題は歴史的にもオイルショックなどを通じて繰り返し顕在化してきた長期的課題であり、今後の方向性として、再生可能エネルギーの導入拡大や電化の推進、原子力・核融合の活用が重要であること、エネルギー分野における電気工学人材の役割の重要性が高まっていることが報告されました。

電気工学科 井上昌睦 教授

■教育手法のDX推進 
情報工学科山澤一誠教授から、コンピュータグラフィックスおよび人工知能プログラミングの授業における教育実践として、DX環境を活用しながら学生の理解と主体的学習を促す取り組みの報告がありました。講義では毎回ミニレポートを課し、キーワードの説明や具体的な感想・質問を記述させることで理解状況を可視化し、次回授業でフィードバックを行う仕組みを構築していることが報告されました。演習ではパックマンや迷路などの課題を通じて自ら調べ、試行錯誤する力を育成し、生成AIの活用も前提としつつ、「作成したコードを自分で理解できること」を重視していること、また、理解度テストを導入し、提出物と理解の一致を評価に反映させていることが紹介されました。
最近ではAI利用の増加とともに高度なアルゴリズムの使用が増え、平均点の向上も見られたが、大切にしていることは学生の思考や理解度を常に意識し、対話的に授業改善を図るようにしていると報告がありました。

情報工学科 山澤一誠 教授

■【実践力育成部門(チーム表彰)】

教養力育成センター土屋麻衣子教授から、学生サポーター(TA・SA・CS)の育成を目的とした研修プログラムの実践について報告がありました。授業サポート制度は、授業の質向上とともにサポーター自身の主体性・コミュニケーション力・課題解決力の育成を目的としていること、研修は、基礎研修(オンデマンド)とファシリテーション研修(対面)を組み合わせ、活動前・中・後に段階的に実施していることが報告されました。学生が安心して挑戦できる環境づくりや小さな成功体験、振り返りを重視し、主体性を「求める」のではなく「生まれやすい」設計としていることが紹介されました。研修のアンケートでは高い満足度と学習効果が確認され、活動を通じて多くの学生が成長を実感し、目標達成や将来への活用可能性も高く評価されており、学生サポーターは「支援する側」であると同時に「成長する側」であり、教職学協働による体系的な研修設計が主体性育成に有効であることが報告されました。

教養力育成センター 土屋麻衣子 教授

質疑応答では、生成AIの活用状況やDXの位置づけについて議論が行われました。まず、生成AIの活用について、気づきがあれば教えてほしいとの質問があり、石原教授から「レポート作成やプログラミングにおいて学生がAIを利用している実態は確認されているものの、それを自分自身で十分に理解し主体的に使いこなす段階にはまだ至っていないのではないか」という回答がありました。さらに、アプリケーション開発についてご自身で作成されたのかと質問があり、石原教授が「データベースを構築し、クラウド環境を活用して取り組んでいる」ことが説明されました。また、DXに関して「D(デジタル)」の部分はmy FITなどの活用によって実現されている一方、「X(変革)」の側面についての問いがありました。これに対して山澤教授から「学生にとっては生成AIの活用そのものが、新しい学び方や取り組み方の変化をもたらしており、『変革』に該当するのではないか」との見解が示されました。

最後に、副学長の前田教育開発推進機構長から、発表者への謝辞が述べられました。FD Caféは、授業改善の取組を学内で共有し、水平展開していくことを目的として実施しているものです。本学の目的は、学生が主体的・能動的に学ぶ姿勢を育み、社会へ送り出すことであり、その実現に向けて教員同士がこの場に参加し、ともに考えていくことが教育力の向上につながると考えています。今後もぜひ協働して活動を続けていきたいと述べられました。

副学長(教育開発推進機構長) 前田 洋 教授

実施後のアンケートでは、「具体的な講義における工夫を知ることができ,自分の講義の改善に役立てられそうな部分があった」「新しい教育手法を知ることができた」「他の学部学科での学生の学習内容を垣間見ることができ、今後、自分でも取り入れたいと思える先生方の工夫を知れた」「プログラミングの教え方や学生の理解度チェックなど、大変参考になりました」との感想をいただきました。
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