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2019.05.21

平成30年度教育業績賞受賞者報告会を開催しました(5/16)

受賞者: 情報工学部 情報システム工学科 徳安達士 教授
公開講義(科目名):「情報解析学」
日時:2019年5月16日(木)2時限目(10:40~12:10)
場所:B棟6階 情報システムプロジェクト演習室
参加者:12名(教員8名、職員等4名)

概要

徳安達士 教授
2年生の必修科目である本講義では、応用数学に位置づけられるベクトル解析とラプラス変換について教授しています。報告会においては、「曲線の長さ」をテーマに講義が行われました。
本講義は、グループ演習を中心としたアクティブ・ラーニング(AL)形式で行われています。学習ノートの事前配布を特徴としていますが、この事前学習ノートを用いたALは本学で初めて実施された講義形式であり、平成27年10月に開催されたFD Caféでも報告されています
(http://www.fit.ac.jp/ap/news/archives/9)。
学習ノートは、次週の授業の資料として毎回授業の最後に配布され、A3版用紙の左半分は「見本ノート」(理解ポイントが押さえられた見本となるノート実例)、右半分は「学習ノート」(受講者自身が作成するノート)となっています。受講者は反転講義用資料として、次週までに学習ノートの右半分をしっかりと埋め、講義に備えます。

学習ノート「第5回 曲線の長さ no.1」

例題解説の様子
報告会当日は、はじめにスクリーンを使って中間アンケートのフィードバックが行われました。5つの独自設問の回答状況の紹介があり、受講生の多くが数学へ興味・関心を持てている、もしくは持てるようになってきていることや、講義のやり方について、理解が進む・楽しく取り組めている・理解した上でグループ演習を進めることができていると感じている受講生が多いこと、従来の教員による説明が中心の講義の方が良いと回答した受講生がいなかったことなどについて説明が行われ、授業後半の改善につなげるための時間が設けられました。
授業が行われた情報システムプロジェクト演習室は、学科教員と学生が能動的に学びのスタイルを探求すること目的として2年前に改装されました。学生達は6名掛けの円卓テーブルに着席し、全11グループ(グループあたり5~6名)が構成されました。授業開始時には、毎回異なる方法でグループリーダーが決められます。報告会当日は、「次に迎える誕生日が一番近い人」がリーダーに選ばれました。このリーダー選定は、グループ演習を進める学生を決めるだけでなく,授業以外の関心事を一旦リセットし、講義に臨む準備をルーチン化する効果があるということでした。
講義では、はじめにレポート課題の答案用紙をグループ単位で交換し、模範解答に基づいて受講者同士で相互採点を行います。その後、講義のテーマである「曲線の長さ」について、徳安教授による例題解説(約15分)が行われました。この中で、解き方だけを覚えるのではなく、理論をきちんと理解することが大切であること、理論を理解することで、応用が利く力が身に付くとのアドバイスがありました
続いて、グループ演習に移り、徳安教授が示した4題を順に、メンバーがグループごとに準備されたホワイトボードで解説し、質疑応答を通して理解を共有するピアラーニングが行われ、受講者全員がグループ内で教え合いながら、終了時間まで熱心に課題に取り組む姿が見られました。その間、徳安教授とクラス・サポーター(1名)が教室を巡回し、必要に応じてサポートが行われました。授業の最後には、受講生は各自の振り返りシート(15回の授業ごとに記録)に今週の授業についての「取組姿勢」と「講義理解」の自己評価を記録しました。また、次週用の学習ノートとレポート課題用紙が配布されました。
  • グループ演習の様子

  • クラス・サポーターが巡回

意見交換会の様子
授業終了後には、参加者11名と徳安教授とで本講義に関する質疑応答が行われ、ICTなどを用いず、手間を掛けないAL手法、グループ分けの方法、受講生のモチベーションを保つ方法、クラス・サポーター人材の確保等について意見交換が行われました。
また徳安教授より、授業を行うにあたっては、各学生の学びのスタイルやペースを大切にし、学生の自主性に任せていること、何のためにこの授業(知識)が必要なのかについて、学生に関心や理解を強いることはせず、まずは次の科目へと繋げていける対応力を身につけることを重視していることなどについてコメントがあり、参加者がALについて、また学生の主体性について、情報共有や意見交換を行う貴重な機会となりました。
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