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2024.01.24

「第3回Join-Talks」を開催しました(10/11)

10月11日(水)、図書館3Fプレゼンテーションコートにて、第3回Join-Talksを開催し、学生21名と教職員13名の計34名が参加しました。
まず、FIT-joinの辻田さん(知能機械工学科4年)から、Join-TalksとはFIT-joinが企画するイベントで、発表者が持つ知識、経験、興味関心があることをテーマにスピーチを行い、参加者が専門の学問だけでなく他分野に視野を広げることの大切さや面白さを知ってもらうことを目的としていることが説明されました。
司会のFIT-join鬼木さん(情報工学科1年)から、今回は前期に行った学生アンケートの結果をもとに、「健康」をテーマに講演をいただくこととし、健康に必要なものといえば、’食’が欠かせないと考え、栄養化学分野を研究されている九州大学の大学院農学研究院生物機能科学部門の佐藤匡央教授に「現代栄養学の視点から私達は何を食べないといけないのか」をテーマに発表頂き、私たちの食生活を考えていきたいと説明がありました。
佐藤教授から、人類は古典栄養学の考えでは何を食べなければいけないかが定義されているので、現代栄養学ではどう食べるかがポイントであり、和食を食べている日本人は西洋の洋食を取り入れたことで健康になり、洋食を食べている西洋人は和食を取り入れることで健康になった経緯が紹介されました。1970~80代の食事が和洋の混合比がちょうどよく、同じものを食べ続けないようにし、いろいろな食材を食べることが重要であると述べられました。また、どの食材にも添加物は含まれているので、その点からも同じものを食べ続けないことが同じ添加物を取りすぎない一番安全な方法であることが説明されました。

次に、栄養学について、歴史的、食情報の変遷、思想としての栄養、科学としての栄養などの角度からお話しがありました。例えば、歴史的な面では、人類は火を使用することでたんぱく質の摂取を上昇することができたこと、そののちに必要たんぱく質が計算できるようになったことで摂取が足りていないことがわかってきたことが説明されました。日本には大豆があったので大豆から植物性たんぱく質の摂取を行ってきたこと、ただし大豆の加工には大きなエネルギーが必要なので、できるだけ手間のかからない方法として微生物による発酵を促すことで発酵食品が増えたことが説明されました。また、現代人に必要な栄養素の例としてたんぱく質が挙げられ、体重の1000分の一プラス20gのたんぱく質を摂取することが望ましく、スーパーで手に入る食材として魚肉ソーセージが挙げられました。さらにビタミンとミネラルを摂取するために卵を食べることでニキビや乾燥肌を防げることが説明され、現代人が何を食べないといけないのかについては、魚肉ソーセージと卵であることが挙げられました。

続いて、病気との関りから生活習慣病についてお話がありました。現代の病気では生活習慣病が多くを占めており、世界的に見て、日本人は寝たきりの時間が長いので、日本が目指すべきは健康寿命と平均寿命との差を短くすることであり、健康寿命を長くして、活動制限を受ける時間を短くできればと説明されました。また、病気を治すための食材の話が話題になるが、食品で病気を防ぐことはできても、食品だけで病気を治すのは難しいので、薬があるものは活用して、食品も薬品も取り入れて健康寿命を延ばしてほしいと講演がありました。
 質疑応答では、「食事の時はどのくらい噛んだらいいのか。」との質問があり、佐藤教授から「食べ方もいろんな方法で試していくことが大切で、調理方法や食べ方、食べる種類にも多様性が大切である。」との回答がありました。また、「貧血美味で、サプリメントを飲んでいるが、食品から鉄分を摂取することはできるのか。」との質問があり、「食事だけで貧血を治すことは難しいので、薬を検討するようにしてほしい。」とのアドバイスがありました。
最後に、鬼木さんから、佐藤教授への謝辞が述べられ、「食に対する意識が変わった。これから様々な食材を食べていくこと、卵を毎日食べようと思った、皆さんも今日をきっかけに食に対して新しい考えを取り入れるきっかけにしてほしい。」とコメントがありました。
実施後のアンケートでは、「食べ物についての色々な知識や考え方を知ることができた。この講話を元に食生活を変えていきたい。」、「どんな食事がいいのか栄養素の具体的な内容を踏まえたおかげで理解しやすく面白かった。」とのコメントがありました。
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