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2023.11.10

2023年度「教学マネジメント委員意見交換会」を開催しました(10/30)

山澤教学マネジメント部門長
10月30日(月)、2023年度「教学マネジメント委員意見交換会」を開催し、教員14名・職員7名の計21名が参加しました。本意見交換会は、評価・推進部会構成員(教学マネジメント委員および教学マネジメント部門員)を対象とし、所属組織を越えて、本学に必要な教育改善について意見交換を行うことにより、課題に対する認識共有を図り、効果的なFD 活動につなげることを目的として開催されたものです。昨年度各部会委員を対象に開催した「テーマ別意見交換会」に続いて開催したもので、今年度は①データで見る福工大生の姿、②学部学科横断型教育の可能性、の2つのテーマに分かれて意見交換や情報共有が行われました。
まず、山澤教学マネジメント部門長より開会の挨拶とタイムテーブルの説明があった後、テーマ別に分かれ意見交換が行われました。各テーマ別意見交換の概要は次のとおりです。
 
尹社会環境学部長がファシリテーター役となり教職員11名で意見交換
①データで見る福工大生の姿
まず、話題提供として大学IRコンソーシアムの学生調査結果について、入学時と比べた能力・知識の変化および学習に関する経験について報告がありました。この中で、能力・知識の変化に関し、他大学と比べて本学3年生は、「地域社会が直面する問題を理解する能力」、「国民が直面する問題を理解する能力」、「外国語運用能力」、「異文化の人々に関する知識」、「グローバルな問題の理解」等の項目ついて、能力が伸びたことへの実感が低い傾向にあるとの説明がありました。また、これらの項目は、卒業生を対象に実施した調査においても、他大学と比べて本学卒業生は在学中に身についたという実感も社会で求められているという実感も低いという調査結果について説明がありました。
 
データに関する質疑応答の後、まずDPに定めるコンピテンシーと授業科目関与度という視点から意見交換が行われました。この中で、本学3年生の成長実感が少ない上記項目について、各学科の目標とする教育の実現ができるように、専門科目についても内容として取り入れることが必要であるとの意見があった他、どのようにどの力を身につけさせたいかというのは大学、さらには学科ごとに固有のものがあり、この視点で調査結果を見るのが適当ではないか、「グローバルな問題の理解(グローバルマインド)」について、本学の考えるグローバルマインドを明確にし、それに沿ってより細かく本学の現状を判断する必要があるのではないか、複数科目の授業内容のうち、グローバルマインドを育成する内容をオムニバスで取り扱う授業科目を実施すれば、成長実感の伸びにつながるのではないか、等の意見が挙げられました。また、学修者本位の教育の仕組みづくりという視点から意見交換が行われ、非認知能力の評価を行うことの重要性が確認された他、本年度モニター受験を実施しているGPS-Academicなどの外部アセスメントテストについて、卒業研究やゼミでの非認知能力の評価や学生の自己評価ルーブリックなどと併せて活用することが適当である、等の意見が挙げられました。
 
藤岡情報工学部長がファシリテーター役となり教職員9名で意見交換
②学部学科横断型教育の可能性


 
まず、学科を越えた教育活動の取組みとして、工学部のグローバルPBL、情報工学部のPBL、教養力育成センターの地域創生入門や課題解決型インターンシップでの取組み等の事例が参加者から紹介されました。また、それぞれのPBLの取組みで目指しているや重視していることについても共有が行われ、専門という軸を持ちながら色々な人と関わって自分のアイデンティティを確立させ、教員以外の人々との交流から学び、また他者とのコミュニティをつくることや、各学部の専門を活かして刺激し合うこと、イノベーションのためのコラボレーションの疑似体験を提供していくこと、社会問題を解決するための学科を越えた学びをするために相手の考えを理解すること等が紹介されました。

また、取組みにおける課題として、専門教育の知識と課題解決の前提となるPBLの知識が必要であることや、学生間の知識レベルやモチベーションの差を考慮しながら活動を進める難しさ等について共有されました。さらに、本学で今後どのような横断型の教育活動が必要なのかについて議論をする中で、学修者本位の点から、横断型プログラムを通して学生にどのような力が身につくのか、身に付けるためにはどのような正課内外でのプログラムや機会があるのかを示していく必要があるとの意見があった他、各学科・センターの実践型人材の定義やビジョンが統一されていない可能性があり、学部学科横断の教育を実施する際には、大学としての哲学やポリシーを明確にし、一貫性を持って設計することの必要性が確認されました。
 
前田機構長から全体まとめと閉会挨拶
約75分間のテーマ別での意見交換の後、各テーマのファシリテーターから、意見交換内容について全体共有がありました。また、前田機構長より全体のまとめが行われ、テーマ①については、学修成果の可視化を行うにあたり、データはあくまで一つの切り口・側面であることや、ミクロの学生レベル・ミドルの授業レベル・マクロのカリキュラムレベルやDPのレベルなど、複数のスケールを組み合わせた見方を行うことの重要性について話があり、またテーマ②については、全学部横断型の科目の設置に向けて現在検討を進めており、実質的な運営における協力依頼が行われました。
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